××型の彼!

彼女の困難



『じゃあそろそろ失礼しますね』

「あぁ、引き止めて悪かったね。
日隈さんも、疲れさせてしまったね」

「それって俺に失礼じゃね?」


唯登達の話しが終わったらしく、立ち上がったので私も立ち上がる。
なんだかんだで時間が過ぎるのは早く感じたし、退屈しなかったのでセクハラは許そう。


「また試合しようって伝えておいてね」

『はい、有り難いです!』

「あ、優希、俺送ろうか?
い・え・ま・で!」

「結構です。
名前で呼ばないでよ馴れ馴れしい」


私達のやりとりに唯登も先生も苦笑。
部屋を出て、挨拶をして高校を出る。


「肩透かしくらったみたいだね、なんか」

『んー…まあ納得といえば納得。
天才型って結構ああいうタイプが多いみたいだしなぁ』

「そうなんだ。
先生から色々聞けた?」

『いや、面白がって全然―…』

「優希ちゃーん!」


さっきまで聞いてた声とともに慌ただしい足音。
嫌な予感しかしないんだけど…


『矢崎…』

「お疲れ、天音!
優希にさ、忘れ物!」


肩を捕まれ、チュッと頬に軽い感触。


「じゃ、また試合の時になー!」





 私の困難、増やすなっつの…


 
 
 
< 35 / 38 >

この作品をシェア

pagetop