求愛ラバーズ
LOVE.6 -ラストチャンス-
葛城さんと関わる事がなくなって3週間。





たった3週間、たかが3週間。





でも、その3週間が長かった。





時間が過ぎるのが異常に遅く感じた。





このまま会えない日が続くのか?




もう、友達には戻れないのか?





そんな俺に更なる追い打ちがかけられる。





「聞いた〜?葛城さんって退職するらしいよ。」


「聞いた、聞いた。3月までは来るんでしょ?」


「そうそう。結婚するんだってー。」


「えぇー!そうなの!?羨ましい。まぁ、わからなくはないよね。あれだれけの容姿だし、彼氏がいないってのはおかしいものね。」





葛城さんが寿退社すると言う噂は瞬く間に広まった。





否定しないところを見るとこの噂は本当らしい。





結婚って………やっぱり戸高さんと?





ははっ……望みなんてないじゃないか。





ギシリと椅子に深く体を預け仰ぐように天井を見る。





なんだか目が潤んできて、見られないように手で覆う。





絶え間なく漏れるため息。





どうしようも出来ない自分に苛立ってくる。




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