求愛ラバーズ
LOVE.10 -求愛-
それから一言も話す事なく、役所に向かい婚姻届を提出した。





「おめでとうございます。」





そう言われ、俺とありさは手をキツく握り合うだけだった。





車に乗り、役所に近い俺のマンションに向かう。





「ここ……宗士のマンション?」


「そう。ラブホよりマシじゃない?」





ありさの顔を覗き込むと顔を真っ赤にし、目を伏せている。





「―――っ、――…はぁ。」





エレベーターに乗り、部屋に着くまでありさの唇を貪る。





少し開いた口の隙間から漏れる艶かしい声。





少し開いた口にすかさず舌を捩じ込む。





「ん〜っ、―――そっ、しぃ。」





到着音が耳に入り、キスを止めると唾液で濡れた唇から甘い吐息が漏れる。





「そ、しぃ。」





熱を含んだ目で見上げられ、ありさの腕を痛いほど掴み部屋に足を進める。





ガチャンと解錠し、忙しなく靴を脱いで寝室に引き込んで、ベッドに押し倒した。





「宗士…。」


「ありさ…。」





穴が空くほど見つめ合えば次第に縮まっていく体と顔。




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