告白プロジェクト【短編】


げっ。
未乃里のやつまだ突っ立ってる。



さっかまでのことを思い出してニヤケながら何気なく外を見たら、気づいた。



時計を見上げてため息をつく。



もう三十分はたってんぞ。



その様子に不安を感じて慌てて走り出した。



「帰んねえの?」



家を目の前にして言うのも可笑しいが、そう尋ねた。



その声でやっと現実に戻ったかのように振り返る。



「聡志っ」



名前を呼んで駆け寄ってくる姿は犬のようでそれはそれは可愛くて抱きしめたい衝動にかられる。



まあ、そんなことしないけど。



恋は自分が優勢で相手を操った方が楽しいし。



「あのね、私は聡志が……好きだけど、聡志は私が好き?」



は?

今まで散々告白ためらってたくせにあっさり?



つーかその質問意味わかんねえ。




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