セレーンの祝福
プロローグ


ただ真っ白な中で


私は懸命にその足を踏み出し


前方へ手のひらを伸ばす




真っ白なそこは何もある筈がなくて


当然のように空を切る腕


その反動は私の体を地面へ引き寄せた



「――――……んっ!!」



たまらず掴めなかった何かへ叫ぶと


銀色の閃光が走り


その鋭い色からは想像もできないくらい


優しい温度に私は包まれた






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