青空の紙ヒコーキ
「だから…陽は…」

「間違いなく『彼氏』って言うのよそーゆーのは。
はる、陽くんのこと好きじゃない。
それに陽くんだってはるのこと好きだし。
でしょ?あたしの言ってること間違ってる?」

「……分かんない。」

「意地っ張り。ていうか照れ屋?」

「違うもんっ!!」

「違くないっ!!
はるのはただの照れだもん。
バレンタインで素直になればいいじゃないの!!
手作りチョコ作って!!」

「手作りチョコってカカオ豆から作るの?」

「何バカ言ってんのよ。そんなわけないでしょ?」

「じゃあそれ、手作りって言わないじゃん。
溶かして固めただけ?」

「溶かしたときに『愛』も詰め込むのよ!!」

「そんなの見えないじゃん。」

「あーもう!!さっきから屁理屈ばっかり!!
はるは一体何がしたいのよ?」

「だって梨絵がバレンタインバレンタインうるさいんだもん。」

「誰がうるさいですってー!?」



クラスの女子は2月に入ってからみんな変だった。

梨絵もその一人だけど。特に今年は。

バレンタイン…

あたしを憂鬱にさせるイベント。特に今年は。


あぁ…
ホントに憂鬱。



< 379 / 417 >

この作品をシェア

pagetop