約束‐ヤクソク‐

 だけど、分かったところで、俺にはどうしようもない。




 ただ、元の梨依に戻るのを待つだけだ。




「俺に出来ることはないのか・・・?」


 

 自問自答を繰り返しても、答えなんて見つかるワケなくて。




 もどかしくて仕方がなかった。




「梨依には、支えてもらってばかりで。

俺には何も出来なくて?」




 そう考えたら、なんだか笑えてきて。




 でもやっぱり虚しくて。




 やり場のない感情を、右手の拳に込めて。




 俺は近くの壁を思いっきり殴った。





 勝ったのは、








 虚しさだった……







< 8 / 45 >

この作品をシェア

pagetop