運命の恋~先生を抱きしめたい~
花束を持ち上げると
紅の字でカードがあった。



『真理子さん
先生は元気でしたか?』


俺はそのカードを持ち上げて
胸に抱きしめた。




「ごめんな・・・・
真理子・・・・・
こんなとこで違う女のことを
考えてるなんて……
真理子……怒ってるよな?
でも……俺…紅に会いたいって叫んでる。
真理子…許してくれるか?」



俺は真理子の墓石に
いつものように唇をつけた。



「真理子を忘れない・・・・
だけど違う女を愛してしまった。
見つけて抱きしめたい
許してくれるか?」



その時だった


さっきまで静かだった風が音を立てた。
かろうじてまだ花びらを
つけている桜がまるで雪が舞うように
はらはらと美しく散った……



「紅をさがすよ……俺……」




真理子の冷たい墓石を
抱きしめた。



俺はとうとう
現実を見つめた・・・・・

そして前を向いて歩き出す・・・・。
< 283 / 427 >

この作品をシェア

pagetop