学園B
はじまり
夏休みの気だるい空気が消え、サッパリとした換気のある風が僕の身体をすり抜けるように通っていった。
「………面倒くせぇ…」

そういったのは僕の親友谷口翔-タニグチショウ-だ

「がんばれ!今日は午前授業だからっさ」

「知ってる……つか何してんだよ…」

「えっ?蝶捕まえようとしてるんだけど……っ…なかなか…」

「はぁ……高校生にもなって蝶捕りに夢中になってんじゃねぇよ」

………ピク

・・・・・・・・
高校生にもなって?

「翔、いくらなんでもそれはないよ、大体蝶収集はれっきとした趣味なんだし」

「……分かった趣味だもんな?仕方ないよな?――」

「そうだよ」

本当に…本当にそう思っているのだろうか?

「そうだよじゃねぇよ!!……ハッそんなに蝶がすきなら山行ってこい、つか――」
「成る程、」
翔にしてはいいアイディアだ。
「それじゃ行ってくる」 
「つか――今日…っておい、学校だぞ、戻れ!!!」

「ハッハッハー僕を捕まえてごらん」

「キショいこというなっー!!!」

この後僕は本当に山に行って幻の蝶を捕まえたのだけどそれはまた別の話
< 1 / 12 >

この作品をシェア

pagetop