ドライヴ~飴色の写真~
「どうしてって。あの、今日、汽輪太郎くんに一眼レフっていうカメラで撮ったっていう写真を見せてもらったんです。それを見て、私の写真にちょっと似てるなって思って……」

 なんだろう、この雰囲気。
 いつもの篠さんと違う。

 私は思わず早口になっていた。

「なぎさん、ちょっと軽率じゃないか?」

「軽率、ですか?」

「しばらくは、もっと考えて行動した方がいい」

「考えたから、行動したんですよ」

 私も、段々苛立ってきた。

 篠さんが、眉を顰める。

「なぎさんの為なんだ」

「私だって、篠さんの為です」
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