僕の唄君の声


「なんでもクソもないけど。ただそう思ったから。あ、もしかしてモテ男は自然と口説きに入っちゃうとか?やばいねそれ。」

「…てめェ」

「あ、でも教室での会話と手の心配してくれたのは本気かなー。違ったらごめんね」

「―……。」

「図星?マジかよマジかよ。私すげェな」


不思議そうな意外そうな迷惑そうな感じが混じり合った表情をした榊下は私をガン見した。あのワーキャー騒いでた子達なら即効オチてるんだろうなーなんて考えながら口の中に唐揚げを放り込む。


「(モグモグゴクン)…そんなに私のこと見ても私はオチないから。」


お腹いっぱいになってきた私は他の入れ物に入った缶詰のミカンをパクパクと食べた。


「…ふ〜、お腹いっぱい。さて、そろそろ帰ろ、Σはいっ?」


お弁当箱などを片付け、帰ろうか尋ねるため1段上に座っている榊下に振り向けば制服のネクタイを引っ張られた。バランスの崩した私は半分腰を浮かせながら1段上の階段に手をついてなんとか持ちこたえた。


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