僕の唄君の声

(玲視線)


泣き声も止んで、俺から体を離そうと手に力を入れたコイツは途中でピタリと動きを止めた。気になった俺は視線を少し下にずらした。必然的に目が合い、どうしたのかと問えばえーと、あーとか呻きながら目を泳がせた。暫く様子を見ていれば泳がせていた瞳をピタリと止め、俺の目を見つめた。



「ふー…」

「どーした」

「あの、ですね」

「あぁ」

「えーと」

「……ん?」

「あー…、のですね」

「…あぁ。」

「そのー」

「………。」

「……えっと」

「………(プツリ)」

「Σ!…っありg「壱葉ぁぁああ!」

「Σぎゃ!」





俺がキレそうになるのを察したのか、唸っているのを止め、言葉を言い出したと思ったらバンッと扉が開き千種…か、かー…何だっけか。まあ、奏輔の好きな奴がご登場しなさった。そのおかげで言葉は途中で途切れた。



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