僕の唄君の声



玲と付き合い初めて早くも2週間。


特には何もない。まあ、無くて当然といえば当然だけど。


なぜなら、私たちは公認カップルでは無い。もちろん華己と奏輔は自他共に認めるバカップルなのだが、私たちは違う。


理由1、騒がれるのがめんどくさい
理由2、きっと私が嫌がらせを受ける
理由3、他の女からの質問攻めとか無理
理由4、なんか色々面倒。
他多数。


という2人一致の意見が大量にあったからだ。


だからといって会えない、とかではない。親友同士が付き合ってるから必然的に会えない日はないし、偶然にも自宅の方向が4人一緒だから特別用が無ければ下校も一緒。



「なかなか上手くいくんだね、」

「なにが、」

「秘密のお付き合い。」

「あぁ、確かに。」



いつものように、東階段に迎えに来た玲に言う。奏輔と華己が付き合い始めてから、華己の役目は玲に変わった。


そして、人通りが少ないことをいいことに、ここではかなりオープンにこんな会話をする。



「今日は誰とヤッた?」

「んー、今日はまだ。」

「あ、家に来るのか。」

「そうそう。」

「てことは、Dカップの長谷川さんだ。」

「よく覚えてんな。」

「だって、めちゃくちゃ殺したい。」

「‥はは。」




非公式な付き合いのため、玲の女付き合いはそう簡単にやめることが出来ない。不自然に思われるし、なかなか難しいものだ。

仕方ないのは分かってはいるが、心の中ではもう、独占欲がこれでもかってくらいに渦を巻いてる。

で、我慢出来無くなると、こうして軽く暴言を玲に吐く。




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