恋色想い



「颯…私、颯に会えてよかったって、すっごい思う…ありがとう…。」



って、何言ってんだ私!!
口にしてから、急に恥ずかしくなる。
でも遅い…。
恥ずかしい…




「…。」


「っごめんなんか!違うの!」



黙ったまんまの颯に、あわてて否定する。





「…ばか。恥ずかしいこと言うなよ…。」


小声で呟く颯。
ケータイの向こうにいる颯は、今、どんな顔をしているんだろう。



顔を、私と同じくらい真っ赤にしているのかな。
そうだといいな。




「ふふっ…」

そう思うと、笑みがこぼれた。
なんだかすごく、颯が好きだなって思った。





「…なんだよ。」


ご機嫌ナナメな声で、颯は私に尋ねる。





「颯、好きだよ。大好き。」




今まではっきり自分の感情を口にしたことがなかったのに、私は迷わず颯に告げていた。


自分でもびっくりするくらい、まっすぐに言えた。






まっすぐに、伝えたいと思ったんだ──…
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