恋色想い





「碧衣…。」


苦笑混じりに私の名前を呼ぶ颯の声。






もうずっと、長い間、私は颯の背中を抱き締めていた。





そっと私の手を颯は体から剥がした。


「ごめんな、重かったよな。」

困ったような笑顔でそう言う颯。





私は首を振ることしかできなくて、ぶんぶん首を振った。






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