恋色想い





ドン…
パーン…



歓声と花火の音の間を縫って、私は走った。
下駄で、足が痛い。



だけど、それよりも…
胸が痛くて…。





とどまることを忘れた涙はぽろぽろと零れていく。



「なぐさめてあげるよ。」

そんな、冷やかしの声も聞こえた気がした。







私は、ひたすら走った。



自分の心が揺るがないうちに、ここを立ち去りたい。





無我夢中で走る。




唇にそっと残る感触と熱。





この夏を、
私は一生忘れない──…














< 178 / 230 >

この作品をシェア

pagetop