グレーな吐息~せぴあなタメ息③~
ライブハウスに入る。

控え室に、あたしは連れて行かれる。

「お、悟、来たな」

いきなり、声をかけられる。

白のタキシード姿、

今日の主役。

「お久しぶりです。武藤さん。今日はおめでとうございます」

嬉しそうに、武藤は微笑む。

「おお。そっちにいるのは・・・彼女か?

にしては、変な格好だけど」

悟は振り返って、あたしを手招く。

「あれが今日の準主役の武藤さん」

「おいおい、主役じゃないのか?」

「主役は奥さんです」

「そうだけど・・・」

笑ってる。

「こっちはその奥さんの希望でもある、

ルシアンの曲を歌ってくれる子で、類です」

「おお、そうかそうか」

類に歩み寄ってきて、ハグする。

「・・・あの、武藤さん、類、困ってるから。

類、高校生なんで、お手柔らかに」

類は驚きのあまり固まってしまっている。
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