姫密桜
そう言った、槇は
私との時間をずらす。

今朝も、靴を履く私に
聞こえる槇の声。

「サクラ、おはよう」

振り返るとそこには
Tシャツ姿に長ズボンの
寝起きのままの姿で
槇が立っていた。

「マキ、おはよう
 ・・・
 いってきます」

靴を履いた私は
出かけたくないけど
出かけなきゃ、変・・・

私は、思った。

私が、ギリギリに起きて
用意をすれば

槇と、また

一緒に学校へ
通えるかもしれない

だけど、きっと・・・

槇は遅刻しても、もう
私と一緒に学校へは
通わないだろう。

きっと、そんな気がする
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