姫密桜
「サクラ」

「サクラ」

槇の声に、重なる声・・

そこに、あなたがいた。

金色に輝く髪が
風に靡く。

「サクラ
 先生が呼んでる
 
 お前、ノート
 提出した・・・」

私は、那智の腕に
しがみ付いた。

「どうした、サクラ?」

槇が私を見つめている
とか、そんな事を
考えてる余裕ないよ。

「助けて、ナチ
 ここから離れたい

 胸が苦しいよ」
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