姫密桜
私は、選択しなきゃいけない。

決められない、私。

決められる訳が無い。

こうして、迷う私は
知らず知らずのうちに
槇と距離を取るように
なっていた。

翌朝、いつものように
制服に着替えた私は
通学鞄を持って
リビングへ向かう。

すると、食卓には
櫂ちゃんの姿があった。

「カイ、今朝は
 えらく早いわね?」

母は、珈琲カップを
櫂ちゃんの前に置いた。

「ありがとう
 
 たまには、真面目に
 通わないと・・・
 留年だけは、ご勘弁」
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