姫密桜
「サクラの為に
 お前は進学を諦めるのか?」

その言葉に、槇は驚く。

「アニキ、知ってる・・・?」

机の上の本を、櫂は本棚に
片付けながら話す。

「ああ、お前達が幼い頃から
 好き同士なのは、知ってたさ
 
 だから、サクラにはお前を
 想う気持ちを諦めさせる為に
 結婚できない等と、いろんな
 言葉を告げ、あいつの心を
 ひどく傷つけた・・・・・」

櫂の顔色が曇る・・・

妹を傷つけても、槇への想いを
捨てさせたかったのは

妹が傷つく姿を
見たくなかったから・・・

「マキ、お前は絶対
 サクラの想いを
 受け止められない
 
 俺は、そう思ってた

 お前は優しいから、両親や俺
 の気持ちを一番に考えて
 サクラへの想いだけに
 突っ走れる訳が無い・・・」
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