姫密桜
「サクラ、大丈夫か?
 
 マキ、また酷く
 やられたもんだな」

「こんなの、親父の胸
 手の痛みに比べたら
 大した事ない」

「我が家のアイドル
 サクラちゃんに手を出した
 お前が悪い」

櫂は、槇に微笑みかけた。

「分かってるさ」

私は、槇の部屋に散乱した
本を集めだす。

「ほらっ、サクラ
 片づけなら後でいいわ
 
 まずは、下で
 落ち着きましょう」

母の声、聞こえない・・・

私は、夢中で本を集める。

「サクラ?」

本の上に零れ落ちる、涙
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