姫密桜
「何にも、無いです」

「じゃあな、サクラ
 ほら、リュウ
 行くぞ」

大好きな槇の背中に
私は、呼びかけた。

「マキ」

振り返る、槇。

「お昼休み、屋上に
 行くから待ってて」

「ああ
 そうだ、サクラ
 
 学校では
 呼び捨て禁止な
 お兄さんと呼べ」

「無理・・・

 それだけは絶対、嫌」
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