姫密桜
『今のマキを見失うと
 お前は一生、取り返しの
 つかない事になるぞ』

私はもう、槇を見失っていた?

二人はもう・・・

私は、携帯電話を切って
慌てて部屋へ向かう。

そして、キャミソールの上に
ドレープカットソーを着て
階段を降りる。

階段の下、槇の姿。

「これでいい?」

そう、私が訊ねると、貴方は
こくんと頷いた。

「行ってきます」

ねえ、マキ・・・

お願いだよ

私を一人にしないで。
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