姫密桜
屋上の扉は
開けられていて
私は、槇の姿を探した。

西さんと話している
槇の姿が私の瞳に映る。

「マキ・・・」

「おっ、サクラちゃん
 こっちこっち
 あれ、友達も一緒?」

両手を高く上げて
左右に振る西さんの姿を
見た和歌子は

そのテンションの高さに
驚く

「あの人が・・・
 お兄さん?」

「ううん
 
 彼は、兄の親友の
 ニシさんで

 兄は、黒髪の人」
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