拾遺詩集 キマイラに捧ぐ

The Rose of May



 『The Rose of May』


花開けよ
いとしき子等
万緑のなか
水辺のしじま

それぞれの色をなし
走れよ
草はらの野辺

いっさんに風吹けば
なびき渡る草の端を
遠くまで見渡して
その眼を挙げよ

ローズ・オブ・メイ

あまりにも愛しい
その眼差し

ローズ・オブ・メイ

お前があの時かいま見た
風の中の草原が
この五月に
もう一度よみがえるのだ

内なる庭に憩う
可憐なる
薄紅色の花びらと共に

ローズ・オブ・メイ

愛のために咲き
信に触れて香る
五月の薔薇よ

光降る草野に
今こそ共に呼びいでよ!







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