俺様な彼氏
すれ違い Ⅰ
今日は夏休みが明けて初日…つまり二学期の始まりの日。


重たい気持ちのまま、学校に向かう。


行きたくないせいか足取りがかなり重たい…。


遅刻ギリギリで教室に着いた。


ガラガラ…


力無くドアを開ける。


よそ見をせず、一直線に自分の席へ向かった。


座った瞬間…後ろから抱き着かれた。


「!?!?!?!?!?」


驚きすぎて声になっていない。


フワッと漂う香り。


あ…この香り…


「ゆ…雪斗ぉ…??」


間違ってたらいけないので振り返らずに恐る恐る尋ねてみる。


鼻孔をくすぐる香り…。


「当たり☆ よく分かったな〜、俺だって?」


耳元でわざとらしく囁いてくる雪斗。


その声は低くて甘くて…心地好いものだった。


「ぁはは、分かるよ♪ 香水の香りで。 それに…公園で…包まれた香りだしね」


そう言うと抱きしめられていた腕の力が強くなった気がした。


なんか今日の雪斗…可愛いかも☆


自然と綻ぶ顔。


思わずクスクスと笑った。


そうしたら案の定…


「笑うなよー…」


って拗ね気味に言われた。


< 101 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop