俺様な彼氏

文化祭 Ⅲ

俯きながら言ったので稜の表情は分からない。


しかしいくら待っても言葉が返ってこないので不信感を抱き、顔を上げてみることにした。


顔を上げて見てみると…


「えっ…?」


あたしの口から驚きの声が出た。


だって!!


チラッとしか見えなかったけど…耳まで真っ赤だったんだよ!?


゙あの"稜が照れるなんて…


ヤバい…


抱き着きたい、かもっ!!


…と変態チックなことを頭の中で考えていた。



「なぁに、人の顔見てニヤニヤしてんの?」


いつの間にか元に戻ってしまった稜。


残念…と思いながら稜に言われた言葉にピタッと動きが止まる。


今…『人の顔見てニヤニヤしてんの?』って言われたよね?


だとしたらあたし、非常に怪しい人だよね!?


しかも!!


ニヤニヤした覚え、ない!!


あぅ………。


さっき(心の中でのこと)とは形勢逆転だ!!!!!!


でもさ、理由言えない…。


『稜が照れてたのが可愛くてニヤけてました』なんて…恥ずかしすぎて言えない!!


しかもそれ言ったらニヤけてたの認めることになるし…。





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