Tear Drops
 特に月の精の悲しみようは酷く毎日のように涙を零していました。

 そしていつしか月の精が零す涙は星と呼ばれるようになりました。  


「えっ!じゃぁお星様ってお月様の涙のことなの?」  

「そうだよ。涙が星になったんだねぇ。」

「でもぉ…太陽さんとお月様可哀そう。会いたいのに会えないのは悲しいもん。美月、パパとかママとかおばあちゃんとか大好きな人に会えなくなったら悲しいもん。」  


「美月は良い子だねぇ。でもね、この話しには続きがあるんだよ。それはね…。」


 それからも月の精が毎日涙を零し続け空が星で一杯になる頃、神様は月の精が可哀そうになりました。

それに離れ離れになってもお互いを想い続ける太陽の精と月の精の姿に心打たれた神様は一ヶ月に一度だけ月の精が太陽の精に会いに行くことを許しました。

これに二人はとても喜び神様に感謝し一ヶ月に一度の日を大切に幸せに過ごしました。

それで夜空に月が現れない日―新月―が有るのは愛しい恋人に月の精が会いに行っているからだといわれています。


「一ヶ月に一度しか会えないのに太陽さんとお月様は本当に幸せだったの?」  

「とても幸せだったそうだよ。離れていてもお互い想いあうことはできるからね。まだ、美月には少し難しいかもしれないね。でもいつか美月もそんな人を見つけるんだよ。例え離れ離れになっても自分を想ってくれる、そして自分も想えるような相手をね。」  

「うん、美月がんばるね。じゃあ、おばあちゃんは…月夜おばあちゃんは陽太おじいちゃんにもう会えないけど今でも好き?」  

「ふふ、おばあちゃんは今もおじいちゃんが大好きだよ。ずっとずっと昔からね…。」

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