=キング of ビースト= 2





広未わ悲しそう呟いた。



倉庫に下っ端わいっつも来る。

由莉が戻ってきて、いつものように明るく偽りのない笑顔で

『おはよう』

と言ってくれるのを待っているのだ。



たくさん人がいる倉庫で話し声わおろか雑音でさえほとんどしないー…


誰かが倉庫に入ってくるたんびに全員一斉に入り口を見てわ、落胆する日々。


活気が失われた那龍ー…




中でも夜琉わ、手のつけようがないほど荒れていたー…。




それでも1日一回、10分程倉庫に顔を出す夜琉。



入り口から入ってきた夜琉。


夜琉が入ってきた時だけ、下っ端に光が灯る。


下っ端達にとって夜琉わ憧れであり、唯一由莉と同じぐらい大切な人。



「「おはようございます!!」」


空元気で夜琉に挨拶をしても、返って来ない返事。


由莉と一緒に居るようになってからわ相づちを打っていた夜琉。


だが、また由莉と出会う前に戻ったようだった。

むしろ酷くなったかもしれない。以前わチラッと視線だけわ向けていた夜琉も、今わピクリとも反応を示さないのだからー…。



返って来ない返事に顔を歪める下っ端。


それでも一番辛いのわ夜琉だと言い聞かせて、必死に耐える毎日。


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