=キング of ビースト= 2
「っ」
間一髪のところで立て膝をついて踏ん張った夜琉さん。
やはり立っているのも辛いのだろう。
「夜琉さん大丈夫ですか?」
綺麗につくられた顔を見れば額にうっすらと汗がにじみ、眉を寄せて目を瞑っている。
「…。芯ドア開けろ。」
目の前にある夜琉の家のドア。
俺がゆっくり指示通りに開けると、夜琉わゆっくり立ち、玄関に入った。
「夜琉、大丈夫?」
ドアの開く音が聞こえたのだろう。広未の不安げな声が聞こえた。