きっと世界は君のもの


「ミュー、ミルク持ってきてやっ・・・」

ガチャリと開くドアと共に、バカデカイ爽麻が入ってきては、停止した。

「て、そっちの白猫はどなた?」


ミルクを床に置いて、彼が目の前に腰をかける。

『柚ですけど!!』


「うわ、なんだかイラついてるみたいだな」


なに?もしかしてあたしの言葉、聞こえてないの?

「んー、どこの家の猫なんだ。 野良? でも鈴もついてるし・・」

「ま、いっか」


よくなーい!!
猫だったら何匹増えてもいいわけですか?!

「そんな唸るなって。ほら、こっちおいで」

『い や だ ね!』

(そんな怒んないで、おいでよ)

あくびをしながら言うなっ!
誰がアイツのとこなんかに・・・

『っ!?』

「ほら、こわくないから」

いきなり抱き上げられたかと思うと、彼の匂いに包み込まれる。

うわ、ギュッとされるのなんか、久々。
って、猫だから意味ないか。

でもあったかいなぁ。ミューはいっつもこんなことされてるんだよね、いいなぁ。

こうやって撫でてくれたりするのが、愛情を感じるっていうか。
どうせ人間に戻っても、適当な扱いされるんなら、ずっと猫の方がいいや。


まさか猫の方がいいって思うなんて、ちっとも思ってなかったけど。



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