絶対純愛主義
何よ?そのリアクション。

朝から貴斗に関わるとロクな事がない。

貴斗が追ってこないのをいい事にさっさと学校に向かった。






ちょっと言い過ぎたかなぁ…。

いつもチャラチャラして、何を言っても笑って済ますくせに、今朝に限ってあんな顔するなんて気になるじゃん。

雨に濡れた子犬みたいな顔しちゃって…。

いつもの貴斗らしさがなくてすごく気になる。

学校から帰ったら食器を取りに行きがてら様子を見に行こうか…。





「ママー。貴斗んちに食器取りに行ってくる」

夕飯の用意に忙しそうなママに声をかけて貴斗んちに向かった。

いるかなぁ…。

妙にドキドキするのって何!?

別に私は悪くないけど、貴斗の様子が気になるだけだもん。

チャイムを押すとしばらくして貴斗が出てきたけど私を見て驚いてた。

「食器…もらいにきたの」

「あ…あー。ごめん、まだ洗ってなくて。洗って持ってくよ」

やっぱりいつもの貴斗とは違う感じ。

だからつい親切心を出してしまった。

「いいよ。じゃあ台所貸して。洗うから」

勝手知ったる貴斗の家。

戸惑う貴斗の横を擦り抜けてズカズカと入って行った。
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