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・惑溺 side玲

「外で飲むなって言わなかったか?」

しかめっ面の俺に普段の倫なら素直に謝るはず。

なのに一旦酒が入ると妙に気が大きくなるというか、細かい事を気にしなくなるようだ。

「えー?そんな事言ったっけぇ?」

二回も言ったんだけど。

「じゃあさ、家で飲むならいいんでしょ?怜も一緒に今から飲むぞー!」

誰も飲むなんて言ってねーし。

ご機嫌な倫は定まらない足取りで冷蔵庫に近寄ると中からビールを取り出して俺に渡す。

「はいっ!」

満面の笑みでビールを差し出す倫を不覚にも可愛い…と思ってしまった。

俺の好みはこう出るとこは出て、締まってるとこは締まってるってのなんだ。

こんな幼児体型を一瞬でも可愛いと思うなんて、かなり溜まってんのかもしれない…。

「カンパーイ!」

倫がプシュッとプルトップを開けてビールを一気に流し込んだ。

「んまいねーっ!」

「お前っ!何飲んでんだよ!」

慌てて取り上げた缶の中身が半分近くになっている。

何て飲み方しやがるんだ。
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