僕らの宇宙戦艦奮闘記
「ホムラ並…もしくは、それ以上の戦艦を率いた艦隊が襲ってくるというのですの?」
「…可能性の話だけどな。」
そんなことになった場合、どう考えても地球上の戦力に戦艦ホムラ一隻では戦うことは不可能だろう。
そもそも、まだ俺たちは戦艦ホムラの性能ですらすべて把握しているわけではないのだから。
「…?ICI室から入電。どうしたの?」
そこまで話したところで、宇治原君が通信機の反応を見て、ICIと通信をつなぐ。
『北海道小さいな…』
それだけかよ。
「お前たちは、何を見ていたんだよ…」
『いや、それだけじゃないけど、そっちのレーダーには何も映らなかったのか?今、隕石みたいなものが見えたんだけど。』
隕石?
「そんな情報聞いてないぞ。」
隕石が接近しているなら、出航前に艦長である斉藤雄二に連絡があってもいいはずだ。
しかし、そのような事前連絡は一切受けた記憶はない。
ICI室連中の見間違いじゃないのか?
「いや、今、こちらでも確認…確かに、よく分からないものが、レーダーに反応しているな…」
そう、答えたのはレーダー監視係の村山。
『今、気付いたんかよ?』
「悪い、悪い、ちょっと怖い話をしていたものでな。」
『怖い話?』
その話は後だ。
「村山、それが何かまで分かるか?」
「いや、ただ、地球に接近しているとしか…」
地球に…接近?
「サザエと、ウニは分かるのに、隕石かUFOかさえの区別もつかないのですの?」
あんなの、村山の適当なウソに決まっているだろうが…。
真に受けるな。花子。
「一応、未確認ならUFOになるわな。」
ケラケラと笑う美並。
そりゃ、そうだ。