指輪
そうだと思う。

自分でも分かる。

だって今日は八尋がいる毎日がなくなってしまう日だから。

『いままでごめん』ってちゃんと言うんだ。


「鈴ちゃんこれ持っていって~」

「あっはい。」

上原さんからミルクティーとレアチーズケーキとダージリンをもらいお客様のところへ行く。


「お待たせいたしました。」

最後の八尋のところへ持っていったときにあたしは『次鈴ちゃん休憩ね~』と言われそのまま八尋のいる席に座った。

今日は5時から9時までシフトが入っているから7時にあたしは休憩が入る。


「八尋今日時間ある??」

あたしは上原さんが持って来たケーキとアッサムティーを笑顔で受取ながら言う。


「今日は9時までだろ~
 それから??」

「うん。」

大丈夫じゃないって言って欲しい。

それが本音。

でも・・・・・・


「分かった。」

そうだよね。

あたしは『ありがとう』って言ってケーキを口に運んだ。

それから八尋に仕事の出来を聞いて文句言いながらケーキを食べていたあたしの幸せの30分間は終わった。

こんな風に過ごすのはこれで最後。

バイト終わらなければいいのに・・・・・・


「鈴ちゃんあがっていいよ~」

・・・・・・そう思ってるときに限って時間が早く過ぎちゃうんだよね。


「鈴ちゃん帰ろう!!」

あたしが着替えて出てくるとすぐに手を引き走り出した。
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