冷酷系女子

10.幼馴染みの秘密




なに…これ……

朝、いつも通りに登校すると、黒板にびっしりとある写真が貼ってあった。

颯の卒業アルバムの写真…

それは全く、今の面影のない颯の顔。

下に名前が書いてあるから、かろうじて彼とわかるけど…

それより、そんなことより…



「なにこれ最低、颯ってウチらに嘘ついてたんだ…超幻滅」



佐々木さんが写真を見て言う

颯が、いつ、嘘をついたって言うの



「嘘って何?誰だって隠したいことあるでしょう?あなたにだってあるでしょう?」

「は?かくしごととかって規模違くない?
つか、男で整形とかないでしょ、引く」

「………あなたは、颯が好きだったんじゃないの?」

「こんなの颯じゃないし」



…颯、あなたの言っていた通り

人は、人の顔しか見ていないのかもかもしれない。

でも、あたしは、今の颯もこの写真の中の颯も、颯だと思う。



気づくと、あたしなんて走るキャラでもないのに、教室を飛び出していた。

颯の教室、何組だった?

颯がよくいる場所ってどこだった?

仲の良い友達は?

あぁ、あたし、本当に颯のこと何も知らなかったんだ



「月島サン」

「そら…!」



必死で颯を捜していると、目の前にそらが現れた。



「昨日のことだけど…」



昨日…

昨日のことって、あのことよね

けど、今はそれどころじゃない。



「悪いけど、後にしてもらえる」

「橘捜してんの?」

「そうよ、だから…」

「俺が、言ったから?橘にいけばって。
乗り換え速いね、月島サン」



そらの、冷たい目

乗り換えって、何?
あたしはただ、颯が心配なだけ




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