【短】これが最後の恋でありますように
「うっせぇ!!どうせ俺はバカだよっ」


「うん」


コクリと勢いよく頷く。

それは正解。


「納得すんな!!」


最近の紘斗の笑顔は、前ほど重たくなくなった。

あたしも安心して見ていられる…。




「今更何で勉強?」


友達の言葉を代弁してみる。

別にいつも通り補習を受ければ、とりあえず卒業はできるよ?


あたしの質問に、眉間にしわを寄せた。


ガタッ


前の席に座り、小声で話し始める紘斗。


「こんな髪色にしてるせいで…バカだと思われたくない」


ズキッ


それは結局、彼女のため。

彼女への愛を守るため…。
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