素敵な片思い
マンションの前でタクシーを降りると、杉浦くんは隣のスーパーを指差した。


「あっこで食料調達しよ~ぜ。何作ってくれんの?」


「こんな近くにスーパーあるなら自炊すればぁ?お金もかかんないよ~。最近一人暮らしでも、自炊する子多いのに…」


「それは早く帰れるヤツだろー?オレみたく毎日遅いヤツは無理だって」


「早く帰れる仕事でも、自炊しないタイプでしょ?」


私がそう言うと、杉浦くんはニヤリと笑って私の頭にポンと手を置いた。


「アタリ~。オレあんま飯にこだわりねぇからさ。とりあえず腹に入ればいーし。かと言って、自分で作ってまでは…食わねーや」


うわ~…作りがいのないヤツ。美味しいご飯作っても、無言で食べるタイプなのかな。


「じゃ、適当に作るね。レンジある?冷蔵庫に入れとけば明日も食べれるよ」


「お~、さすが気が利くねぇ。ダテにオレより年とってねーな」


ムカ。


いちいちムカつくんだけど。ほんと生意気だな~。


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