素敵な片思い
「悩みねぇ…。カノジョと別れたいんだ?」


「いや。できれば続けたいんだけどさ、相手にその気なけりゃ一人相撲じゃん。

あー悲し。もっとスパッと諦められればいーんだけどな」


いつも強気かと思いきや、カノジョの事となると、急に小さくなる杉浦くん。


「…愛されてるんだね~。羨ましい」


「愛…なんかな。もぅよくわかんねーや。慣れてっから、ラクなんだよな。カッコつけなくていーし」


…無駄にカッコつけそーだもんね。初めてのデートとか、やたら張り切りそうなタイプに見える。


「…でもさ、小玉さんに女の子紹介してもらってんだよね?飲み会でお持ち帰り…」


あ。やば。言っちゃった。


端正に見えていた、杉浦くんの顔が急に緩む。


「お持ち帰り?」


「んー…チラッとね?聞いたの」


あはは。ストレートに聞いちゃダメだよねぇ。正直に言うわけないじゃん。


そしたら…

このオトコは、意外にも正直だった。



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