素敵な片思い
卒業してそういうのがなくなった時…


二人だけの世界を引き続き維持できるのは、やっぱりすごいよ。


一回ダメになったにしろ、色々と誘惑がある中で


私は、同じ人を好きで居続ける事ができなかった。


やっぱり…なかなか会えない人よりは、身近な人を、好きになってしまう。


「カノジョは…入籍するだけは、嫌なんですねぇ」


「ほなら、籍入れよか?て冗談ぽく言うたんも、あかんかったんかもな。それになぁ…」


小玉さんは、フロントガラスの向こうを見つめ、唇にあてた指にため息を吹きかける。


その仕草は、その時を思い出してるようにも、私にその話をするかどうか躊躇っているようにも見える。


「小玉さん…。無理に話させて、すみませんでした。もう、行きましょうか?部長待たせちゃダメですからね」


ニコッと微笑むと、小玉さんも柔らかい表情で返してくれた。


「せやな。…悪い、一つ聞きたいんやけど」


「…何ですか?」


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