素敵な片思い
会社近くの小綺麗な居酒屋さん。


薄暗い店内に入ると、小玉さんは店員さんと顔見知りらしく、すぐに掘りごたつの個室を案内してもらえた。


「今日って予約してたんですか?」


「いや、顔パスやん。オレしょっちゅうこの店来とるから~。予備の部屋貸してくれた。まぁまぁそんなん気にせんとやな。ここ、座りぃ」


しょっちゅう来るってコトは、やっぱ彼女はいないのかな。


そんな事を思ってると、小玉さんはニコニコして、自分の隣を指差した。


…小玉さんの隣?


杉浦くんの隣よりは、いいか。


一人で納得し、小玉さんの隣に腰を下ろす。


「じゃあ…とりあえずビールでいいっスか?」


杉浦くん、メニューを片手に店員さんを呼ぶ。


有無を言わさずいきなりビールですか。


う~ん、実を言うと。私はあんまり飲めないんだよね。


杉浦くんをチラチラ見るものの、彼が私の視線に気づくはずもなく。


そしたら、小玉さんが杉浦くんの手から突然メニューをもぎ取った。


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