素敵な片思い

ドキドキして携帯の画面を見つめていると、


――カチッ。


という音と共に、本当に削除ボタンを押しちゃった。


あらら……、消しちゃった。






「これで、もう清算！　あとは、海の答えを待つだけ」


杉浦くんは、私の顔を覗きこむと、にっこりと笑った。


「わ……私の答えは、まだ、出ないよ。だって、そんなにすぐ好きって気持ちにはならないし」


「わーってる。オレ、忍耐強いし？　待つよ。その間も、絶対浮気はしませんから」


「なに言ってんのぉ？　付き合ってないし、浮気には入んないよ」


「いーじゃん。あ、そーだ。これさ、つけてみて」


「……え？」