好き過ぎて
ある事実
「お前はちゃんと、兄ちゃんに愛されてるよ?」



和哉......



いいえ。
私みたいな子、お兄ちゃんは愛してくれてない。

もし

愛してくれているなら、私の方を向いて笑ってくれるはず。

私の声を聞いてくれるはずよ。



でも

お兄ちゃんは、私の方を向いて笑ってくれない。

私の声を聞いてくれない。



......私の事を愛していないから。



「それは違う。お前の兄ちゃんは、ちゃんとお前の事も愛してるんだ。」

和哉が私を諭すように言う。

......もう良いよ......

愛されてないの。私は。

お兄ちゃんだけじゃない。お母さんやお父さんにも愛されてないの。

友達にも誰にも......

だから

羨ましかった。

いつも楽しそうに笑ってて、友達や家族やお兄ちゃんに愛されてる、彼女さん......希夢さんが羨ましくてたまらなかった。

ポタッ......

私の目から零れ落ちる涙。

「ずっと......一人で辛かったのね?」

私が聞く。

私は、ただ頷くしか出来なかった。



その時、和哉が私に

「ちょっと来い!」

と行ってきた。



よく分らなかったけど

とりあえず私は、和哉の後をついて行った。
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