ダイヤモンド・ヒーロー
七回オモテ 【湊人】

決選当日





ついに……。 ついに、やってきた。

この日のために、俺たち3年は、マウンドの上で泣き、笑いあってきた。


今日を“笑い”で迎えるために―――。


空は晴天。 野球日和。

応援席は、満員。




「――― 湊人」


「大、か」


「今年も、来たな」


「あぁ」


去年立たせてもらったマウンドを、ベンチから眺める。

横に立つ大は、去年はマウンドには代打として立った。



「行くんだろ? …… 甲子園」


どこかで聞いたことあるようなセリフだな。

でも、甲子園に行くことは事実であってほしい。

それに、咲良と約束したんだから……。


「当たり前だ」




< 142 / 200 >

この作品をシェア

pagetop