ダイヤモンド・ヒーロー
練習に戻った俺は、何事も無く練習をする。
最後まで今日のメニューをやり終えて、部室に戻る。
「なあー、誰かー。 スプレー制汗スプレー持っていないか?」
「なんだ、なんだ! 湊人ー。 このあとはデートか?」
スプレーが弧を描いて、俺の手に収まる。
「ちげーよ。 そんなんじゃねーよ」
「嘘つくなっての」
部室で散々からかわれたが……。
デートでは無い。
ただ……。
「美山ー、終わったか?」
被服室でエプロンを作っている美山に会いに来たって訳だ。
別に、デートじゃねーよ!
「相原くん、見てみて! 結構、進んだよ」
…… どう進んだんだよ?
あんまり進んだようには思えない。