ダイヤモンド・ヒーロー




それに……。

相原くんの隣にいると、落ち着くの。


「なあ、美山?」


「なに?」


相原くんの真剣そうな声が響いた。


「お前って、野球部に好きなヤツとかいるのか?」


「――― ッッ」


好きな人、でしょ?

そんなの……。


「いるよ……」


いるに決まっているじゃん。 ――― バカッ。


あたしが“ダイヤモンドに見える”ってだけで、毎回野球部の練習を見に来るわけ無いじゃん。


最初は“ダイヤモンド”だけだった……。

でも、気がついたら……。 相原くんに会いたくて、毎回通うようになっていたんだ。


「美山?」


突然黙りだしたあたしを不思議に思ったのか、あたしの顔を覗き込んできた。


「――― ッッ」


体中が一気に熱くなる。




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