ダイヤモンド・ヒーロー
ついに、やって来た。
高校生活最後の年。
俺の夢を叶える…… ラスト・チャンス。
「湊人…… マジで応援、してっから」
先輩の手が、俺の両肩に強く食い込む。
「――― っっ、はい」
“――― 悔しい”
先輩の思いが、俺の胸を突き刺す。
先輩の分の“甲子園”と言う夢を背負って。
俺は…… 3年に進級する。
全国の高校球児の夢の舞台。
――― 甲子園。
「俺、マジで頑張りますから」
「……… 湊人」
先輩から、一つの滴が落ちた。
忘れてはいけないこの――― 先輩の涙。
これから俺たちが倒す、高校球児が流す涙。
全員の夢と悔しさを背負って、俺は高校生活最後の今年。
“甲子園”と言う名の“ダイヤモンド”に足を運ぶんだ……。