ダイヤモンド・ヒーロー




この1年。 俺だって必死に練習した。


――― 三嶋に勝ちたくて。

――― 甲子園に行きたくて。


練習試合をする機会は無かったが、三嶋の情報はある程度、入手出来ている。


2年で“伏見学園 エース”とまで呼ばれていたヤツだ。


この1年だけで、マスコミが何回か取り上げたりしていた。



「しっかし……。
三嶋って、なにげにカッコイイと思わないか?」


「…… 普通だろ?」


俺には三嶋がカッコイイとかそんなの関係無い。


俺はただ―――。
去年負けた悔しさを晴らしたいだけだ。


「まっ、三嶋より俺の方がカッコイイか」


大の脳天気なこの考え。 たまに、羨ましくなるのは…… どうしてだろうか。




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