ダイヤモンド・ヒーロー
「――― ッッ」
“思い詰めている”と言われれば、確かに……。
思い詰めているのかもしれない。
「俺がお前のボールを取っていて、気がつかないわけ無いだろ?」
大は気づいていたのか……。
それでも。
「なんにもねーよっ」
大には悪いが、お前には関係無いことだ。
これは、俺の問題なんだ。
「なにも無いわけが無いだろっ!
開会式が近づくにつれてお前はおかしかった。
なにをお前をそこまでにしているんだ……?」
大の弱い声が部室に響いた。
「なあ、湊人……。 そんなに俺って頼り無いのか」
「そんなことねーよっ」